admin admin Title List
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

140802_999.jpg
<大雪山・トムラウシ・十勝岳 縦走 2日目:トムラウシへ続く主稜線★★★>から続く

3日目:ヒサゴ沼キャンプ場→トムラウシ山→三川台→双子池キャンプ地 [CT 12h50min/実績 12h]


4時に目を覚まして出発の準備を始める。

昨夜は無風で、ナキウサギの鳴き声が子守唄になるほどの穏やかな夜だった。
初日の夜と違い暖かい夜で、シュラフも半分剥いで寝るほどだった。

テントの外に出ると、

140802_001.jpg

清清しい高原の景色が広がっていた。


今日は青空の中を歩けそうだ。

朝の空色と乾いた空気に触れてそう予感した。



テントを片付けていると、東の空が明るくなった。 

日の出の時間だ。

140802_002.jpg

美しい・・。

3日目から行程が長くなる。
時間内に目的地へ辿りつけるか・・。
なまくら体には、体力的な不安もある。

とにかく、安全に。 無理せずに。
楽しむ余裕がないと、はるばる北海道に来た意味がない。
そんな事を考えていた。

5:14 ヒサゴ沼キャンプ場出発
 ヒサゴ沼の辺に設置された木道を進む。
 140802_006.jpg

 素敵なキャンプ場をふりかえる。
 140802_007.jpg
 名残惜しい。
 いつか また来れたらいいな。

 キャンプ場の周辺は雪渓が多い。
 雪渓の雪解け水が、ヒサゴ池に流れ込むし、登山者の飲み水にもなるのだ。

 雪渓をトラバース気味に渡る。
 早朝の雪渓はカチカチで滑りやすく、注意が必要だった。
 (滑り落ちたとしても沼にドボンで 濡れちゃう・・というだけだけど)
 140802_008.jpg

 沼にうっすら朝もや。
 140802_010.jpg

 雪渓の先にはイワイチョウが生えていた。葉っぱがイチョウに似ているのが特徴。
 140802_011.jpg

 雪渓のわき道を登っていく。
 140802_012.jpg

 振り返るとヒサゴ沼。
 その先に見える山は石狩岳だろうと思ったが、今地図をみると方角的に違うかも。
 140802_013.jpg

 雪渓はトレースが不明瞭になっている。
 カチカチだったこともあり、脇の岩場を登っていく。
 140802_014.jpg

 この雪渓の先で道迷いをした。



 地図にも迷いマークが付いているが、、ここは迷いやすいところだと思う。

 地形上は尾根のてっぺんまで歩くと主ルートに合流するのだが、尾根が平坦なため
 どこで主ルートに合流するのか、わかりにくい。

 北海道の山はアルプスの山と違ってトレースがはっきりしているわけでもないので、
 これが主ルートかな?と判断して進んでいったのだが拙かった。


 道迷いの基本は「来た道を戻ること」だが、迷ったのが登り道だったこともあり、
 下りて戻らずに本ルートに合流しようと無理に急な斜面をよじ登ったため、戻るのも危険な状態に陥った。
 気が付けば、深いハイマツに覆われた岩場にいた。 


 目的地へと急く気持ちがあったのだろうと今ふりかえって思う。
 

 もし足を滑らせて大きな岩場の間に落ちたりしたら、、、。
 人気のコースとはいえ、当日は登山者がそうそう近くを通る日ではない。
 声も届かないだろう。
 
 落ち着け落ち着け、、、、。
 いったん、今日の目的地の事は忘れることにした。


 落ち着いたら、自分が花畑の真ん中にいることに気が付いた。 
 すごい群生だった。
 踏まずに通れないほどだった。
 140802_017.jpg


 当たり前だが、ルートの脇の人の目のつくところだけに花が咲いているわけではない。
 そう思うと 目の前の光景がとても貴重なものに見えた。

 ヒサゴ沼の眺めも抜群だった。
 140802_018.jpg


 迷ったことで いい経験ができた。


 プラス思考に転換した途端に、事態は好転した。

 主稜線を歩く小指の先のような人を遠くに見つけた。
 山の位置、方位を確認し、登山ルートを予測した。
 だめだったら戻ろうと、ルートを決めて 登った。
 すると ほどなくして獣道にでて、名も無き池の辺に出た。

 目指すトムラウシ山の頂が見えた。
 140802_019.jpg


6:21 ルートに復帰する
 そして ようやくルートに復帰した。
 短かい時間だと思ってたけれど 30分もタイムロスしていた。

 道迷いは 足場の悪さから、思った以上に体力を使う。
 スタート直後から 体力もだいぶ消費してしまった感覚があった。

 実は 途中まで前方を歩いていた登山者も道迷いをされていた。
 この数時間後にトムラウシの山頂付近でその方と出会え、お互いの無事を確認した。
 お互いに心配をしていたようであった。


 少し進むと、天沼があった。
 140802_021.jpg

 ヒサゴ沼の眺めと、今度こそ石狩岳が見えた。
 140802_023.jpg

 この辺一帯は「日本庭園」と呼称され、美しいところだった。
 140802_026.jpg

 5年前に9名の死者を出した遭難事故はこの辺から、トムラウシ山 までの間で起きている。
 季節、天候次第で、山は楽園にもなればその逆にも変わる。
 140802_027.jpg

 ちなみに ここの岩場でも私は迷ってしまった。 
 140802_028.jpg

 間違いに気づき修正するも、ここで10分ほど更にロスした。
 140802_031.jpg

 振り返ると昨日歩いてきた道が見渡せる。絶景だ。 
 140802_034.jpg

 そして目の前にはロックガーデン。
 140802_037.jpg

 140802_038.jpg

 ロックガーデンを越えると トムラウシのピークがいよいよ間近に迫る。
 140802_045.jpg

08:08 北沼 到着
 北沼で小休止をして、ピークまでの岩場を登る。
 140802_047.jpg

 道迷いのところでも書いたが、ここで先にヒサゴ沼を出発していて 私同様に道迷いに遭われた方と再会する。
 年配の方である。 トムラウシの頂上から降りてくるところで、このまま下山するのだという。
 互いの無事を知り一安心。 「お気をつけて」と挨拶を交わして別れた。(まさか翌日も会うことになるとは・・)
 140802_048.jpg

08:51 トムラウシ山山頂到着
 トムラウシ山の山頂は鳥海山のそれに似ていて、巨岩がゴロゴロしていた。
 140802_051.jpg

 残念ながら山頂はガスに覆われ、景色がそれほどよく見えなかった。

 山頂には2名ほど登山者が休憩を取っていて、そのうちの1人に話しかけた。

 トムラウシ温泉方面から登ってきたらしい。その足の早さにびっくり。。。
 日帰りでさきほどの日本庭園までいって、ピストンで戻るのだという。

 と・・・のんびりはしていられない。
 今日の行程は長いのだ。


 休憩もほとんどなしに、先へ進む。
 
09:15 南沼キャンプ場通過
 トムラウシ山頂を越え、南沼キャンプ場へ下りる。
 140802_053.jpg
 水場もあり、美しいキャンプ場だった。

 このキャンプ場を分岐点として登山者の流れはトムラウシ温泉登山口方面へと変わる。(下るor 登る)

 私は閑散とした主稜線、十勝岳オプシタテシケ山への銃走路へと進む。 
 140802_054.jpg

 コースタイムにして まだ9時間20分も歩かなくてはいけない。
 長いなあ・・・。
  
 この日、このルートを歩いたのは 私と、写真に写っている外人さんのみ。
 140802_057.jpg

 オーストラリアか、ヨーロッパか、、。大柄な方だった。
 私より一回りぐらい年上のように見える。

 どこまで行くのか英語で訪ねたら 双子池までと返されたが、あまり話したそうになかったので会話はそれまで。
 足の速い方だった。
 
 最初は抜きつ抜かれつだったが、、、そのうちに 追いつけないほどに差をつけられた。
 

 カール(半円形の窪地)を巻くように歩いていくルート。カールの上までコースタイムでは約2時間ぐらいかかる。
 140802_058.jpg

 道はアップダウンはさほどなく平坦な道が多い。

 ところどころ藪こぎ道。
 140802_059.jpg

 ハイマツがザックや服に絡む道。 
 140802_061.jpg


 肩と腰にのしかかる重いザックと じりじりと肌を焼く太陽。 
 汗が噴出す。

 晴れたら晴れたで、雄大な景色を堪能できる悦びはあるものの、体力的にはつらいものである。
 140802_062.jpg

 熊笹が広がる一本道で、1人の男性の登山者とすれ違う。
 縦走ではなく台地林道からあがってきた日帰りの方だそうだが、こちらのコースはかなりロングコースのはず。
 140802_064.jpg

 会う人 会う人 健脚の方ばかりなので、北海道の登山者は基礎体力が違うのか?と思った。

 振り返ればトムラウシ。
 140802_065.jpg

 ところどころに池沼が点在する。
 140802_066.jpg

 140802_067.jpg

10:35 三川台(さんせんだい) 通過
 三川台は先ほどすれ違った男性が登ってきた台地林道と主稜線の分岐点。

 有名なマイルストーンらしく、その後の登山者とのコミュニケーションにおいて ちょくちょくこの地名が
 でてきた。

 昭文社の地図に載っているコースタイムによると、南沼キャンプ場から三川台まで2時間20分とあったが、
 1時間20分で歩けた。 さして急いで歩いたわけでもない。
 かなり辛めに 書いているようだ。

 これは嬉しい誤算だった。

 これから先、藪がいっそう深くなる。
 翌日 出会った登山者の方の情報によると、5年前のトムラウシの事故の直後に藪は刈り払われたらしいが、
 すっかり 元の姿に戻ったようである。
 140802_070.jpg

 藪こぎで進む箇所もあれば、視界もさえぎられることが多くなった。

 アブも多く、 しつこくまとわりつき、少しでも足を止めれば刺してくる。

 日焼け止めクリームのブロックを突き破って肌を焼く日差し。

 その日差しで汗もふきでるが、水場のないコースなので、水飲みも節約しなければいけない、

 朝の道迷いの疲労も溜まっている。

 加えて 地図には「ヒグマに注意」の注意書き。

 3日間で 一番 人の気配のないエリア・・。 いつ ヒグマと遭遇してもおかしくない道である。

 双子池キャンプ場まで、、辛かったなー。


 十勝岳方面。 十勝岳は遠く、まだ見えてこない。
 うっすら見えるのはオプシタテ山、あの山の麓が今日の目的地である。 遠いぜ。
 140802_071.jpg

 ハイマツの道、藪の道、泥の道のアップダウンを繰り返す。
 140802_075.jpg

 三川台を30分ほど進んだところで、 南沼キャンプ場からの縦走ルートで 二人目の登山者の方とすれ違う。

 登山者「三川台の水場、出てました?」
 私   「いや、たしか 枯れてたように思います。  あれ?いや・・どうでしょう、ちゃんと確認していません。」
 登山者「そうですか。 まずい。 実は水が残り少なくて・・。雪渓に降りるか。」

 この方にとっては 銃走路の後半。

 水が切れた時の苦しさはよく知っている。
 
 よかったら私の水を・・と言いたいところだったが 生憎 この先のルートの事情がわからない身分で気軽に
 水を分ける余裕はなかった。 互いに無事を祈り 先に進んだ。
 140802_078.jpg

 三川台を過ぎてもコースタイムは甘く、マイルストーンをコースタイムを随分と上回るスピードで歩くことができた。
 縦走要の設定だろうか。 

 それにしても 山道はあいかわらずのワイルドさ。
 ちょっとした登り道なんだけど、 体にこたえたなあ・・。
 140802_080.jpg

15:00 コスマヌプリ 通過
 いつもの山登りと違って こまめな休憩(30分に1回10分程度)を挟みながら、最後のマイルストーンである
 コスマヌプリを通過する。残りCT 2時間30分。 CT通り歩いても日のあるうちには到着できる。
 コスマヌプリを通過すると少し下って、少しだけ小高い丘(写真右方にある丘)を登ればあとは今日は下りだけだ。
 この程度なら見た目にも楽勝だ。
 140802_081.jpg

 丘にあがり、進路を南へ変える。 「カブト岩」と呼ばれる巨石群へとゆるゆる下りる。
 140802_082.jpg

15:35 カブト岩
 やはりCTよりかなり早い。キャンプ場へは30分、どんなに遅くても1時間といったところ。。
 逆算し、、、このカブト岩で昨日に引き続き、、、昼寝をしてしまう
 140802_083.jpg

 日陰で涼しく、とはいえ 石のベッドは太陽の温もりを保持して暖かく、不思議な安心感のある岩だった。
 140802_085.jpg

 30分ほど昼寝して、 最後の歩き。
 大きく正面にそびえるオプシタテ山の麓に本日のキャンプ場がある。

 これが道です。わいるどー。
 この日は藪こぎと知っていながら 暑さ対策でハーフパンツだったため。
 すね は 小さい擦り傷と日焼けで 東京に帰っても1週間ほどはひりひりしちゃった。
 140802_087.jpg

17:20 双子池キャンプ場 到着
 到着・・・・だよな?

 とくに立て札もなにもないが、、 先人がテントを張ったであろう跡があり、そこがキャンプ場であるとしか
 思えなかった。

 しかも誰もいない。

 写真で見るといい感じなのだけど。
 140802_089.jpg

 写真に写ってない部分はジャングルのような風景で、
 しかも熊出没エリアで、
 ひとり。

 あれ、、、。  ひとり?


 私を越していった外人は 双子池に泊まるといっていたが、、、。
 このキャンプ場の様をみて、先に進んだようだ。
 この先のキャンプ地まで4時間20分。
 いくら健脚とはいえ、道程の半分は私と同じペースで歩いていた人だ。
 無事にたどりつけたのだろうか。。。


 他に宿泊者もいないたった1人

 8月は涸れているという水場は やっぱり涸れていて、、。
 水は あそこで確保するしかない。。。。

 キャンプ場の10分ほど手前にあり、、到着前に チェックして愕然とした池。

 双子池。
 140802_090.jpg

 写真だと なんとなく清涼感があって美しいのだが。
 実際は もわっとした 田んぼのような、泥のような匂いがする。

 雪解け水ではないので温いし、ちょっと のぞいただけでも、いろいろな小さい虫がみえる。


 うーーーーーん。
 いやだ・・・・。


 でも、生きるためには この池の水を飲むしかない。
 4リットル分の水を汲み、キャンプ場に戻った。

 これまでの水場の水と違い、黄ばんだ水だった。


 日暮れ時。
 いつもなら楽しい夕食も、なぜか全く食欲がない。 こんな経験は初めてだった。
 北アルプスでビバークしたときは ちっとも心細くなかったのに。
 なぜにこんなに心細いのか。
 びびっているのか、俺。

 パスタを作る予定だったが、食べる自信がなく インスタントラーメンを作って無理に食べた。
 少しでも食べないと明日 歩けなくなる。
 自分でも 自分がよくわからなかった。


 夕食に1リットルの水を使い、1リットルを朝までの飲み水として煮沸消毒した。
 残りの2リットルは明日の行動中の飲料用として、テントの中でちまちまと浄水した。
 浄水器の浄水能力は極めて優秀。 今回の山行で一番重要なアイテムであった。


 就寝中の熊よけ対策の特例として、テントの前で 匂いのあるゴミを燃した。
 (勿論 きちんと後片付けをし灰を持ち帰りました)

 幸いなことに 昨夜と同じく、無風で おだやかな夜となった。
 熊にも鹿にも人間の足音的な気配も感じずに、夕食時の不安はどこへやら、、、、ぐっすり眠った。
 深夜12時頃に目が覚め、外をみると 満天の星空だった。




 なんとか山場の3日目は乗り切れた。
 明日の4日目は いよいよ最終日(5日目の天気予報が悪転したため、4日目で山を下りることにしたのだ)。
 最終日の課題は「①無事故、②十勝岳のピークハント、③下山後の十勝温泉に入浴できるか?」である。
 寝袋に潜り込み、二度目の眠りについた。



スポンサーサイト




失礼しました、「おとなしすぎ」がそんなに受けるとは(笑)
このところおとなしいことは認めますが、2~3年前までは誰も認めてくれないのでしょう!?
この日が大縦走のハイライトのようですね。ご一緒したつもりでじっくり読ませていただきました。ぽっかさんは、本当に深くて大きな山が好きなんだなと実感します。
29年前の私は妻と、十勝三股から入山して、音更山・石狩岳・沼ノ原経由でトムラウシに登りました(天人峡に下山)。山頂から見えた三川台が魅力的でした。沼ノ原では同じように自分たちだけだったと記憶しています。
奥さまにしかられそうですが、おとなしくしないで、また深い山のトレールをぜひ読ませてください。
【2014/08/21 12:34】 URL | ねも #tnzvu2vM[ 編集]
>ねもさん
コメントいただきありがとうございました。
音更、石狩と縦走されたのですか。 いいコースですねえ。
一度、どこかの山のてっぺんで、いろいろな山旅の話をお聞きしたいものです。。

ねもさんの その温かい一声が、妻に対する説得材料となります!
【2014/09/01 15:05】 URL | ぽっか #fa7VEvUA[ 編集]














管理者にだけ表示を許可する



| HOME |


Copyright © 2017 山みしゅらん, All rights reserved.






上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。