admin admin Title List
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

100417_777.jpg
鳥取ひとり旅:2of6 1日目:伯耆大山 登山★★>から続く


11:45 弥山山頂 出発
 いざ、本懐の剣ヶ峰へ。
 100417_095.jpg


 腰に巻いていたアウターを着こんで、通行禁止のロープをまたいで行く。
 

 私のように弥山から剣ヶ峰に向かう登山者は後にも先にもいない様子。

 このコースは尾根の反対にある象ヶ鼻方面から天狗峰経由での銃走路がポピュラーなため、
 縦走するにしても、向こうから来ることはあっても、 私のように弥山から剣ヶ峰に向かう登山者は
 少ないのだ。
 
 30mほど歩くと、弥山の三角点に辿りつく。
 100417_083.jpg

 片側が崩れているため通行禁止地帯にあることになるが、問題なくこれるだろう。
 ここから剣ヶ峰の眺めはいい。 

 これを更に過ぎると いよいよ 本格的な崩落地帯に突入する。
 100417_084.jpg


 

 コロコロコロ・・・・・ガラガラガラッ・・

 数分置きに どこかで小岩が崩れる音が聞こえる。
 音は近くの岩だったり、離れた岩だったり、姿が見えなかったり。
 

 稜線の状況が見えないこともあって、私はここでアイゼンを履いて、ピッケルを手にした。
 ザックは岩陰にデポ。最低限の荷物をカメラバッグとポケットに詰める。

 道の南面が大きく崩れていて尾根が痩せている。
 ああ、崩落とはこのような感じなのだな?
 なるべく北面よりを歩くように(といえるほど幅広くないが)注意して歩けば 問題はない。

 まいて歩けるところはまいて歩いた。
 アイゼンを履いているから問題はないし、まあ履いてなくても枝を掴んで歩けば通れるレベル。
 100417_086.jpg


 振り返れば、歩いてきた道。
 100417_085.jpg

 「あれ、たいしたことないかな。この程度なら行けるかも!」と

 揚々と進んでいた。



 その時だった。



 100417_087.jpg


 ん?? なんだこれ・・・。
 私の足が止まった。


 これが、コース中 最大の難関「らくだの背」と呼ばれる場所だった。

 写真じゃうまく 怖さが 伝わらないが・・・両サイドがスパっときれたやせ尾根。
 距離は3m程度かなあ・・。
 長く感じる。

 レンズを変えて 撮ってみた。
 痩せっぷり、伝わるだろうか。

 100417_090.jpg


 コロコロコロ・・・・ガラガラ・・・・。

 考えている間にも、そこかしこで、岩が崩れている。



 頭の中でいろいろなシミュレーションをする。
 あの狭い足場でバランスが維持できるだろうか。
 いや、、踏み出せるかもしれないが、その一歩ごと足場が崩れたら・・落ちるかも
 しれない。

 「その時はその時」・・っていうのは、あまりにもギャンブルである。
 運は何を行うにも付き物だが、運に"頼って"危険に挑むということは、私にとっては山登りの楽しみ方
 ではない・・と思っている。「行きたい」との思いはあるけど、「無し」な判断なのだ。 

 「敗退か?」
 「敗退したら、後悔するぞ。」
 「いや、こんな舐めた判断で行ったら 例えうまくいっても満足できる結果といえるか。」

 迷いに迷って敗退を決意。

 決意? ちょっと違うか。

 その思いが頭を支配してからも、どうしても その場を立ち去ることができない。

 ぐるぐる その場で 考えながら立ちすくみ、10分ほど経った頃だろうか。。


 剣ヶ峰の頂上に1人の登山者の影がみえた。
 私とは逆のルート(ユートピア→天狗峰)から登ってきたのだろう。

 100417_089.jpg

 確かに登山者だ。
 小指の爪ほどにしか見えないが、さぞ、達成感を感じて爽快な気分でいるのだろうなあ・・と
 勝手に その登山者の気持ちを想像した。
 100417_666.jpg

 じっと佇み見つめる私に、向こうも気づいているような。
 そんな 視線を勝手に感じていた。


 「やはり行こうか」

 とまた一度だけ迷ったが、、自制し戻ることに。
 ここでまた迷うほどのい中途半端さで挑む時点で結果的にNG、、登るべきでないのだ。

 下山することに。
 100417_091.jpg


 とっとこと、デポしたところに戻り、アイゼンとピッケルを収納。
 ザックを背負い、弥山頂上まで戻った。


 「ぐやじいいです!」by ザブングル
 100417_093.jpg



 弥山山頂で ふと剣ヶ峰頂上を見ると、先ほどの登山者の姿が見えない。
 てっきり、登って来た道(反対の天狗峰)を戻られるのだと思っていた。

 「まさかっ。縦走だっ!」

 尾根づたいに こちら(弥山)に向かっている先程の登山者の姿が見つけた。


 興奮した。

 あの、ラクダの背を通ってこれるというのか。

 単独で。

 まさかっ。

 じっと、、、その人の動きを見つめた。。。

 山影になるので、ラクダの背をどのようにクリアしたかは見えなかったが、
 ラクダの背も越えたようだ。

 「すげえーーー!」

 自分が出来ないことをやりとげたその人の姿に、静かに興奮した。
 そして、同時に興味を覚えた。
 その人に会い、話が聞いてみたくなった。

 自分との違いが何か、知りたかった。


 若い人なのかもしれない。
 装備が違うのかもしれない。





 食事を作りながら、弥山頂上で到着を待った。



 やがて、姿を現したその人は 歳の頃は60歳は過ぎているだろう おじさんだった。(以下、師匠と呼称)
 縦走の達成感に包まれているのだろう。
 晴れ晴れとした表情をされている。

 私「やりますしたねっ! 縦走達成、すごいです!」

 私は駆け寄って、心からの称賛をかけた。

 師匠は にこやかで、晴れ晴れとした顔で私に応じてくれた。

 師匠「(あなたは)迷ってたねー。見えてたよ。 あれは、まあ、、迷うよなっ。
     どこから来たの? え?東京?  東京から来た人達はね。たいてい、怖がるのよ。
     アルプスの山と また怖さが違うからねえ。ハッハッハ。」

 聞けば、師匠は もう 同コースを10回ほども歩いているそうだ。
 今日は一番足場がしっかりしていて、コンディションがいいとのこと。

 会話をしているうちに、話題はお互いの山の嗜好の話になる。
 お互いに思い入れのある山を話したが、嗜好が合うようで話が弾んだ。
 山の嗜好で気心の合う合わないを知れるというのは、、山に登っている人しか
 わからないことかもしれない。(南アルプス好きとか、北ア好きとかね)

 どうでもいいことだが、、、、持っているカメラの機種や(Pentax K10D)、
 括り付けているカメラバッグのメーカ(Lowpro)まで一緒で互いに親近感。
 100417_096.jpg

 そんなことがあった・・からではないだろうが、
 おじさんは 私に コース情報、ラクダの背を渡るコツをいろいろと教えてくれた。

 コース情報は細かすぎるのでこのレポでは省略するが、、、師匠が言う「渡るコツ」は
 なにかというと・・・・・。

 師匠「バランスだよ。 雪はらくだ以降もないからアイゼンいらない。
    俺はピッケル2本持って通ったけどな。まあ、1本で行ける。
    バランス。これのみっ。」  

 とのこと。


 私「えー。バランスですか?」

 そんなの当たり前だよー。・・・とか思ったが、、すぐに「待てよ」と自省してみる。
 私はやるだけのことをやってないのではないか?
 私と師匠の違いが、見えてきた。
 そしてそれは渡るヒントになった。

 師匠と別れ、私は近くの避難小屋に入り、荷物を整理と装備を見直した。
 必要最低限の荷物をザックに詰め込む。
 稜線上の雪はほとんど溶けている。不要なアイゼンも置いていくことにした。
 一箇所 若干雪のトラバース気味の道があるが、木の枝とピッケルでフォローすれば
 ノーアイゼンで問題ないとは判断できていた。

 視界を遮り 動きを鈍らす カメラバッグも腰からはずして、ザックへつめる。
 バッグをはずしたのは、、、戸隠山の蟻の戸渡り以来か。

 『これで もう一度、あの尾根に立とう。
  それでも、行けないと判断したら、、それは その時は敗退を受け入れられる。』

 そう思った。


 『不可能と思う事には可能性がある』
 誰の言葉だったか。有名なスポーツ選手の言葉だったと思うが、
 この時、急に思い出した言葉である。

 直前までグズグズしていた気持ちが晴れ晴れ。


13:50 弥山山頂 再出発
 駆けるようにサクサク歩いてラクダの背まで辿りつく。
 100417_104-2.jpg

 さて、、リベンジなるか。

 腰を落として重心を低い位置に置き、安定姿勢で
 登山靴一個分ぐらいのラクダの背に歩をゆっくり進める。
 3m~5mほどの距離だが、核心だ。

 ピッケルで先の地面が固いか脆いか確認しながら歩く。

 土から石が頭を出した安定した足場を見極め、それを踏むように 一歩ずつ そろりと進む。

 腰にカメラバッグがないことが、功を奏しているようだ。
 確実に足がおける。最初からこうしておけばよかった。。。

 随分とバランスが安定している。

 腰を落としたおかげで、仮に片足が崩れても これなら もう一方の足でも持ち直せる。
 最悪でも身をよじって尾根にしがみつくこともできそうだ。

 行けるっ!

 一歩、一歩 足を進めて・・・ラクダのコブまで辿りついた。

 このコブはガレていて 非常に危険。
 ピッケルを刺し、登る。

 途中からはロープが垂れているので、それを一助として掴み、登らせていただいた。
 (無論、あくまでも 万一のためのもので自重はあずけない)

 コブを越えると 難関の後半部。
 100417_107.jpg

 ちょっとカーブがかかった痩せ尾根。
 しかも降り気味で 取り付きが いやらしい。。。
 3m程度の距離であるが、手に汗を握りそのカーブの痩せ尾根を通過した。

 「やったっ!!」

 そこから剣ヶ峰までは易い。
 サクサク歩いて剣ヶ峰へ。


14:15 剣ヶ峰 到着
 剣ヶ峰にはやはり反対側から登ってきた登山者の方が休憩を取っていた。
 100417_103.jpg

 頂上に駆け登る。

 「うおーー! やった!!! 登れた!!  怖えーっ!!」
 一目もはばからず大声を出し、噴出す歓喜を開放した。
 100417_099.jpg


 頂上からの景色。東は天狗ヶ峰。こっちのコースも厳しいのだ。
 100417_104.jpg

 南面の景色。
 100417_101.jpg

 北面の景色。日本海が広がっているのだが、霞んでしまって ギリみえないね。
 100417_100.jpg


 師匠ありがとう!
 私イメージでは映画ベストキッドの師匠イメージ。



 突き抜けた喜びに浸っていた。


 高揚。



 しかし いつまでも高揚したままではいられない。

 来た道を帰らなければいけない。
 同じ道なので当然 帰りも 行きと難易度は変わらない。


 油断が生じやすい帰り道の方が事故が起こりやすいのは登山では定石。

 深呼吸して落ち着かせ、頭をクールモードに切替えた。


14:30 剣ヶ峰山頂 到着
 さあ、帰ろう!

 弥山に向かって歩き出す。
 100417_105.jpg

 「私もついていっちゃっていいですか?」

 山頂にいらした単独行の方も 私の歩き方を参考にしながら進みたいということで、
 私のすぐ後ろをついてこられた。

 帰りも・・・怖え~~~。
 ラクダの剣ヶ峰側。
 100417_106.jpg

 慎重に慎重に。バランスバランス・・・・。

 私も後ろの方も、ラクダをなんとか無事クリアした。
 歩き方はコツを掴んだが、、高度は慣れないですなあ。。

 ・・・・と思っていると、、後続者が姿を現した。
 ユートピアから剣ヶ峰まで縦走されてきた年配の2人組の登山者の方が
 我々に追いつき、ラクダにさしかかったのだ。

 しかし、、、足元がおぼつかない。
 なんとかコブについたようだが、、コブを降りる足元が、、怪しい。
 「ロープなんて邪魔だ」とロープも掴もうとしない。。
 手にはストック。

 危ない。。


 あれ・・・落ちるかもしれない。
 先に進んでもよかったが、ちょっと動きが心配になり、静かに2人を見守る。

 1人の方が危険と判断したようで、、敗退を提案し、引き返していった。
 ホッと一安心。

 思わず「賢明な判断です」といっちゃった。

 無茶はいけない。


14:50 弥山山頂 到着
 すたこら歩いて、あっという間に弥山に到着。

 ここまでくれば一安心である。


 当初、山小屋に泊まろうと思ったが、、所要ができたため 下山しなくてはいけなくなった。
 残念。

 荷物をまとめて、さっさと下山。
 登山時にできていた霧氷はすっかり溶けていた。
 100417_111.jpg


 達成感に包まれながら、足早に降りた。
 コースタイムは2時間ほどだが、1時間ほどで麓まで降りれた。

 バスの時間までまだ余裕があるな・・・。
 麓の大山寺等の仏閣を巡り、帰ることにした。

 <鳥取ひとり旅:4of6 1日目:大山寺★>へ続く
スポンサーサイト




最高地点へいっちゃいましたか。崩落を繰り返しナイフリッジ状態・・・私には無理です。
【2010/04/23 21:15】 URL | うりう #-[ 編集]
ああ、よくご無事で、、、
珍しく腹のたつことがあり、眠れなくて起きてきたんですが
ぽっかさんのスケールとのギャップに自分でも呆れます。
もう少しお酒を呑んで、寝ようと思います。
鳥取の続きを楽しみにしていますね。
おやすみなさい。
【2010/04/25 01:53】 URL | あり #-[ 編集]
>うりうさん
うりうさんの言う無理は できないというニュアンスよりは、
やらない・やりたくないというニュアンスだと勝手に受け止めます。

スキル磨かず無茶な遊びをしている・・と自責もします。
こんな危ないコースをクリアしたぞおお!どうだあ!という顕示は
全くゼロではないかもしれませんが、とはいえそれを顕示したい
というわけでは勿論ありません。が、その出来事が印象的ゆえ、
その出来事にフォーカスして記事化してしまいました。

はあ、、エゴなブログ書くことは罪だと思います。
勝手に悩み、迷子になっています。笑


>ありさん
冷蔵庫の向きがどっち?で怒る私です。
スケールはかなり小さいですよ。

でも環境は心も変えるものなので、やはり山や海や
自然環境に身をゆだねるのはよいかもしれません。
【2010/04/26 13:00】 URL | ぽっか #-[ 編集]
写真からはその恐怖感が感じ取りにくいですが、
雪の西穂に行ったぽっかさんが一度は
撤退を決めるほどの危うさなのは十分理解しました。
オレ、多分、無理です。。。

でも、そこに雪があり、”滑れ”ってんなら出来るかも?!w
ご存じ、歩きより滑りが得意な、ヘタレ山歩屋なんです。
そんなヘタレが、二年連続でGW剱行ってきます。
去年は滑り、今年は歩き。当然、今年の方が怖いです。(-_-)
【2010/04/27 20:07】 URL | 那ぁ #-[ 編集]
>那ぁさん
当日にビデオ撮影されている方がいました。
http://video.aol.ca/video-detail/-/1749182921

雪山、沢登り、クライミング、、、。
経験ある人ほど怖いと思います。

劔。
くれぐれもお気を付けて!
成功を祈ってますよ!

私も日帰りでも山に行けたらいいなあ
・・・と思っていますが。
【2010/04/30 14:21】 URL | ぽっか #-[ 編集]
ぉお、動画見ました。
確かに、これは怖い。。。
アルプスとは違った怖さなのが良く解りました。
あっ、昨日、無事下山しました。
【2010/05/04 06:23】 URL | 那ぁ #-[ 編集]














管理者にだけ表示を許可する



| HOME |


Copyright © 2017 山みしゅらん, All rights reserved.






上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。